スライム娘に感染される?

 人間の社会に人間でない者……人外、魔物、モンスターと呼び名は色々だけど、そんな私達が人間社会に紛れ馴染み生活して行くには、それ相応の労力が掛かる。どんな労力かは「種族」によって異なるけど、私は比較的楽な方かも知れない。
 楽な理由はいくつかあるけれど、一番大きいのは……私に人間の旦那様がいることね。出会った切っ掛けはあくまで彼を「捕食」するためだったけど、あの日にお互い一目惚れして、すぐに結婚。彼のおかげで食事の面はもちろん生活面でも人間社会でやっていけるようになった。その代わり、彼の妻として大変なことも増えたけど。
 一番の問題は、私の「下半身」にある。この蛇の身体……私達ラミアが人間社会でやっていく上で一番の障害となるのは、この身体。蛇の半身をどうやって誤魔化すのかというのは、人間社会で生きていくなら永遠の課題なの。
 方法はいくつかある。一番ポピュラーなのは、魔法の力で対象者に「誤認」させること。つまり蛇の半身を見ても「不思議に思わない」という認識を持たせてしまう。これは男性を捕食する際に用いるのが普通なんだけど、これだと「人間社会」のなかで平然と暮らすと言うにはほど遠いやり方ね。だって沢山の人の目に触れる場所に出るなら、行き交う全ての人達に魔法を使う必要があるもの。もちろんその魔法を簡単に行える道具なんかもあるけれど、それを使うには膨大な魔力が必要だし、なにより道具自体がかなり高額で貴重。一般的なやり方とは言い難いわね。
 だから私は、多くの人の目に触れても大丈夫なように、この半身そのものを人間の足と変わらないよう「変化」させる方法を用いている。これなら多くの人の目に触れても大丈夫だから、普通にスーパーへ買い物に行くにも、旦那様とデートするにも、困ることは少ないわ……もちろん、二足歩行なんて「不便」な歩き方を強いられるのはちょっと大変なんだけどね。
 ただこの方法にももちろん欠点はある。まずは当たり前のように消費される魔力をどう補うか。そして魔法を何処まで維持できるのか……慣れないと1分も持たないのよね。今でもどうにか保たせて4時間……これでも私はかなり優勝な方だと思う。
「そこで紹介したいのが、こちらの「保魔液」。肌から直接魔力を吸収するので、魔力消費がこれまでのなんと半分に!」
 ……と、私に新しい「お薬」を勧めてきたのが、いつもお世話になっている薬局店の看板娘さん。彼女は種族で言えば「スライム」なんだけど、普通のスライムと違って身体が「母乳」で出来ている。そして知性も理性もあって、彼女を生み出した魔女のお弟子さんでもある。彼女が勤めているお店のお薬は彼女の師匠であり母親である魔女の皆さんが作った物なんだけれど、時折、教わった薬を自分で作って販売したりもしてる。人間社会で言う「ジェネリック」という物? たぶん全然違うわね。
 彼女が私に笑顔で渡そうとしている薬は、おそらくそんな彼女が作った薬……しかも、彼女なりの「アレンジ」が加えられていると思う。つまり彼女は、自分の薬を「臨床試験」してくれる相手として私を選んだって事なのよね。
「……大丈夫なの?」
 聞かずにはいられなかった。だって彼女の薬って……アレンジが「効き過ぎる」んですもの。
「大丈夫よ。ちゃんと「ママ」の言う通りに作ったから」
 ちゃんと作って、どこかで何かを加えるのよね……いつものパターンだと。
「まずは試してみてよ。大丈夫、安全は保証するから」
 そう言いながら、彼女が私に筒状のプラスチック容器を差し出す。中身は彼女の身体と同じ乳白色。中身はともかく、その容器は……どうみても徳用ローションの容器じゃないの。まあ確かに身体に塗り込む薬だからローションとそう変わり……ありすぎるでしょやっぱり。使いやすいかもしれないけど。
「ねえ、これってもしかして……」
 私は容器から中身を掌に出しながら尋ねる。トロッとした感じはまさにローションそのもの。だけど私が気になったのはそこじゃない。
「うん、私の身体」
 一歩間違えるとスプラッターな感じになってしまいそうだけど、スライムの身体だからそんな感じは一切無く、そしてスライムだから出来ること……なのよね、これ。
 彼女の話では、そもそも彼女の身体の主成分である「魔女の母乳」は高密度の魔力が込められているらしく、彼女がスライムという魔法生物として身体を維持し続けられるのは、「全身が魔力の塊」のような構造だからなのだとか。そこで彼女は、この身体を利用した「保魔液」という塗り薬を発案して作成してみたのだそうな。
「元々私の身体ってママ達から新しい母乳を貰って古くなった身体をその分切り離してたの。その切り離した身体をそのまま捨てるのはもったいないかなぁと思って」
 それが発案の動機だったみたい。ある種のリサイクルなのかしらね……確かにこれが上手く行けば、彼女にも私にも助かる話なんだけど……どうしてかしら、不安ばかりが心を過ぎるのよね。
「とりあえず塗ってみてよ」
 期待を込めた視線が、私に向けられている。私と違い、彼女は不安なんて一つもないのでしょうね……それはそうよね。不安があったら試してなんて言えないもの。いくら楽観的な彼女でも。
 私は渋々ながら、手に取った分の塗り薬をまず腰回りに塗ってみた。いえ、塗ったと言うよりこれは……貼り付けた? なんて言えば良いのかしら、肌に馴染まないというか、こう……手触りは塗り薬と言うよりもローションに近くて、しかも普通のローションよりも硬いというか……だからなのか、塗り薬がそのまま肌に「乗ってる」感じで、塗ったという感じにならない。
「あれ? おかしいなぁ……」
 塗り心地を伝えたところ、彼女はぷるんと首をかしげながら近づき、私の手から塗り薬の容器を受け取る。そして私と同じようにトロッと中身を掌に取り出した。
「んー……こんなに馴染むのにおかしいなぁ……」
「いえ、それはあなたなら馴染むでしょうけど……」
 元々彼女の身体だったんですからね……馴染むと言うよりは「戻している」「取り込んでいる」といった方が正しい気がする。私の思っていた不安とは全く違う物だったけど、案の定この塗り薬は失敗だったみたいね。
「そっか。それなら、「直接」塗り込んでみたら良いのかな」
「直接!?」
 ああ、もう不安以外何もないわ……何をしようとしているのか、具体的に聞かなくても想像できてしまう。だから私は尋ね返しながら逃げ腰になっていた。
「うん。肌から塗り込むんじゃなくて直接「中」に入れちゃえば……ちょっと、逃げないで協力してよ!」
 やっぱりー! 中ってどこよってそれももう考えられるのは一つでこれはもう逃げないとってああ! もう彼女が私の尻尾を両手でっていうかぐるっと輪っかになった彼女の腕で捕まえてて放してくれない……私の長いからだが恨めしい。
「大丈夫だって、気持ちいいだけだから」
「それが問題なんでしょー!!」
 なんか目的変わってません? 彼女の腕がというか身体がどんどん私に密着してきて、半身くらい私の尻尾を覆っている。そして彼女はそのままズズッと私の身体に張り付きながら上昇してくる……。
「や、ちょ、ん、あっ!」
 ウロコの上を這いずられるこそばゆい感触が、尻尾を、半身を、徐々に面積を広げながら侵食してくる。
「奥さんの声、色っぽぉい」
「そん、なこと、いってない、で、んっ! ちょ、や、やめ、てね、あん!」
 ついに彼女の手……手? ともかく彼女は全身で私の腰より下をすっぽり覆ってしまう。腰より下……つまり、彼女の「目的侵入ポイント」も包まれてしまったわけで……。
「や、そ、そこ、や、め、んぁあ!」
「フフッ、奥さん凄い感じてる……ここ、いい?」
 私の陰核が彼女に包まれながらウニウニといじられる。旦那様の唇や舌とは又違った柔らかな触感が陰核を敏感にし、包まれながらも押され、引っ張られ、撫でられ、ビクンビクンと私は腰を跳ねさせてしまう。
「ね、待って、こ、こんな、こと、して、ないで……んぁ! ね、お願いだか、ら、あぁあ!」
 本当にダメ。こんなに感じちゃうなんて……「あの」魔女の皆さんに育てられているだけはあるというか……やだ、旦那様以外の人に、それも女性にこんな……でも感じすぎて、払いのけようにも密着されてるし、私彼女に、スライムちゃんにレイプされちゃってる。レイプされてるのに、こんなに感じちゃって……。
「こん、こんなこと、しに、来たんじゃ、ない、で、でしょ? ね、だ、だから、やめ、ね、んっ!」
 尻尾を暴れさせながらも、彼女の密着をふりほどけず喘ぐだけの私。それでもどうにか説き伏せようと、言葉では抵抗を続けていた。
「あっ、そうだった……ね、奥さん。このまま「足」にしてみて?」
 本当に忘れてたのねこの娘……このまま言う通りにするとますますおかしな事に成りそうな気はした……なのに私は、言われるがまま、スライムちゃんに包まれたまま尻尾を魔法の力で足に変えてしまう。もちろんその足も変わらずスライムちゃんの中。
「どう? いつもより「楽」じゃない?」
 犯されながら変化の魔法は楽じゃないです……でも、気持ち……いい、じゃなくて、気持ち分「維持」が楽かも?
「とりあえず魔力が肌から吸収されてる「感じ」はしてるけど……んっ、ど、どうかな……」
 犯しながら尋ねられても……答えようにも、快楽が声を勝手に変換してしまって上手く言葉にできないわよ。まるで元の尻尾みたいに内股を閉じ使い慣れない足をモジモジさせる私。それでも変幻自在な彼女は隙間無く私に張り付くその身体で陰核をいじり回している。それどころか、いつの間にか私のお尻にまで……入り口をクニクニといじられて、や、そこは旦那様専用なのに、感じちゃう。
 でもなんか……彼女の様子が変? なんだかプルプルと身体を震わせてるのは……私が暴れているから? それとも……。
「やっ、やだ、これ……ひぅっ! ん、し、「シンクロ」しちゃっ、た、かな、ん、あっ!」
 シンクロ? 何を言ってるの彼女は?
「おっ、奥さんの、感じてる、の、これ、わた、私も、い、あっ、んっ!」
 えっ!? シンクロって……そういうこと? でもなんで? 私と触れ合ってるから? 魔力を裸から与えているから? 考えがまとまらない……というよりも、考える暇がない。彼女の動きが激しくなってきて、もう、シッカリ意識を保てなくなってきてる……。
「ね、ちょ、はげし、すぎ、ね、まって、おねがい、だから、ん、ふぁっ! ん、ね、い、いいこだ、から、おね、ちょ、あ、んっ、いやっ、んん!」
「だっ、ダメ、とめ、とめられない、きも、きもち、いいん、だもん、とめられ、ないよ、こん、きもち、い、から、もっと、もっと感じて、わた、私も、感じるから、からぁあ!」
 ダメ、彼女理性を失いかけてる……完全に暴走しちゃった。このままではダメって、私の理性がさっきから警告の鐘を鳴らし続けている……いるのに、私の理性まで、おかしくなりそう……鐘の音が、もっともっとって本能の声に消されていくの……。
「ひぐっ! い、いきな、そん、はげしく、いれ、な、いっ!」
「だって、がまんできない、おくさんだって、ほし、ほしかった、でしょ? でしょ?」
 なんの予告もなく、様子も見せず、私の中に柔らかな、でも太いものが……彼女の一部が入ってきた。それも、二箇所……前と、そして後ろからも。
「イヤ! そこ、そこもだ、なんて、そ、そっち、そっちは、だん、旦那さ、旦那様の、だん、あ、んぁ!」
「気持ちいいでしょ? 判るよ、私も、きも、ち、いん! あ、す、すご、い、これ、これ、い、いれてる、のと、いれられてる、ん、あぁあ! どちも、いっぱい、いっぱい、いっぱい、きも、きも、きもち、あ、ん、ふぁああ!」
 もう、彼女は頭だけがかろうじて形になっているだけで全身ほとんどをドロドロにして私を包んでいる。包んでいた場所も腰からどんどん這い上がって、すっかり肩まで包まれてる。だから……。
「む、胸、そん、いっ! もま、もまっ! い、や、は、そん、はげし、い、んっ!」
「すご、感じる、おく、おくさん、むね、むねだけでこんなにかんじてる、なん、て、エロ、エロ過ぎ、い、えっ、エッチ、いん、淫乱、人妻、淫乱、らみ、あ、い、や、これ、い、ん、あっ!」
 エッチに特化したスライムに罵倒されながら、ジュンって至急が疼く私……変態だ、私変態……私達変態過ぎる……。
「や、むね、の、胸の間、なにこれ、や、ん!」
 見た目では判らないけど、間違いなく胸の谷間部分だけ彼女の身体がちょっと硬くなった気が……それが中で擦られるように蠢いてる。
「判る? パイズリ、パイズリ、人妻の胸でパイズリ、二穴に入れながらパイズリ、すごい、きもちい、これ、や、ずこい、すごいぃい!」
 身体の一部を男の人のアレにして、彼女が入れる方と入れられる方の全てを感じまくっている。それだけじゃない、肌に密着している部分だって全身を撫で回すような舐め回すような、こそばゆい快楽で包み込んでくる。
 気付いたら、足が元の尻尾に戻っている……そうよね、こんなに感じまくって、足の形態を維持なんて無理よ……こんなに、こんなに気持ち良いんだもの。ウロコ一枚一枚、その隙間にまで入り込んで、敏感なウロコの裏まで刺激されて……もう、もう!
「い、あ、い、いく、いっ……」
「あ、わた、わたし、も、あ、ん、あ、あぁあああ!」
 ビクッ、ビクッって、二人して身体を震わせる……でも終わらない。止まらない!
「や、も、もう、ダメ、や、ん!」
「ダメ、止めちゃダメ、まだ、もっと、もっと、気持ち良く、なろ? 奥さん、ね、奥さん、奥さん、奥さん!」
 ウネウネと、狂ったように這いずり張り付き動き回る彼女……止められない、私は彼女を止められない……私も、止まらない!
「あ、なに、こ、この、かん……じ、え? や、なに、これ、これ、なに、え?」
 気付けば、私は腰を振っていた……おかしいの、なにか、腰を振ると気持ち良くなる……え? これって……。
「あは、ん、シンクロ、し、進行しちゃってる、奥さん、奥さんも、私の、私の感じ、感じてるでしょ? ね、だから腰、こしぃ! ふる、ふるの、ふって、ふるから、わたしも、ふって、きもち、きもちよく、なろ、なろ?」
 シンクロって……もしかして、彼女「だけ」が感じていた性感まで、私も感じるように、え、じゃあこの、このかんじが、男の人の……や、なにこれ、入れられてるのに、これ、これが、「私の中」って、これを旦那様がいつも感じてる……これ、私ってこんなに、こんなに、気持ち良いのね……。
「や、なに、中、なかこんな、い、胸、胸もこんっ! あ、ふあ、なん、おしりま、で、こん、や、ん、チュ、クチュ……チュパ、ん、キス、キスも、こん、ん、チュ、クチュ……」
 唇に覆い被さってきたのは彼女。でも私は彼女の頭を自分に押しつけている。舌を絡ませ、その舌が伸びて、太くなって、口の中いっぱいになって……フェラみたいに、ううん、私フェラしてる。フェラしながらパイズリして、前も後ろも入れられて、なのに一人で、でも私も感じてて……やだ、喉まで届いてる。これじゃもうイラマチオ……ディープスローだわ……。
「くちまんこ、くちまんこぉ、きもち、すごいぃ! きもちいい、おくさん、きもちい、これ、すご! おく、おくさんも、かんじてる、くちまんこ、こっちのまんこも、あなるも、むねまんこも、ぜんぶ、ぜんぶぅ! すご、い、いき、いきっぱなし、い、あ、んぁあ!」
 いきっぱなし……もう、何度逝ったのかなんて数えられないわ。私がビクンビクンって震える度に彼女もプルンプルンって震えっぱなしで、もう「頭」なんか形になって無くて、目も口もだらんとしたまま崩れっぱなし。私はずっと彼女の一部をくわえ込んだまま、ひたすら舐めながら首振って腰振って……テクニックとか、もうそんなことを言ってる場合じゃないの。気持ち良すぎて、あまりにも気持ち良すぎて、ただただ獣のように、モンスターの本性のままに私達は性を貪っている。
「なに、あ、でちゃう、わたしだしちゃう、すご、これ、い、だめ、いく、またいく、でちゃう、でちゃうよ! いっちゃう、でちゃう、でちゃうぅうう!」
 何が? なんて疑問を感じる理性なんて残ってない。私は彼女の喘ぎ声も耳を犯す性器に感じながら、快楽をただひたすらに求め続ける。
 そして、私と彼女の身体が大きく跳ね、沿ったままその動きを止める。
「いっくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅううううううううううううう!!」
 喉の奥に、子宮に、腸に、ドクドクと流れ込んでくる……これって、え? 嘘でしょ? 私は徐々に理性を取り戻しながら、モゴモゴと彼女を加えたまま慌てた。
「ふぅ……ん? ああごめんね。出しちゃった」
 いえ、だから何を? これって、え? まさか……。
「大丈夫、安心して。出しちゃったのは私の身体。私の中で「溶けた」身体がそのまま出ちゃっただけだから。だから精子とかじゃなくて……主成分は母乳かな」
 母乳……なの? あ、でも確かにちょっと甘いかも? 舌で味わう前に喉へ直接流されちゃったから飲み込むしかなかったけど……確かに旦那様のより飲みやすかったかな。
「ぷはっ……ん、ちょっとここまでするなんて……」
 一波越えて、ようやく落ち着いた私は解放された口で彼女に抗議する。薬を試すという名目で、最終的にこんなレイプをされたんですものね……そりゃ、文句の一つも言わなければ。文句を言うどころの問題じゃないし。
 本来ならば。
「アハハ……ゴメンね。なんだか止まらなくって」
 笑って誤魔化す彼女……それを仕方ないわねと、笑って許す私。
 人間同士なら、いえ片方だけでも人間ならかなり問題になると思うけど、私達は人間じゃない……方や性欲のために魔女達が共同で生み出した魔法生物。此方性欲を糧にするモンスター。本能が暴走すればこういう結果になる……人間社会で過ごすなら、そんな本能も押さえ込まなきゃイケナイけど、魔物同士だもの、問題はない……わよね? 正直旦那様に後ろめたさはあるけど、これって浮気……じゃないわよね?
「ところで……すっかり忘れてたけど」
 まだ私を包み込みながら、上半身だけ一の形に戻して彼女が問いかける。
「もう塗り薬とかローションとか関係なかったけど、一応足は楽だったよね?」
 ああそうね、それが目的だったっけ……私まで忘れててどうするのよ。
「ええまあ……でも「シンクロ」までしちゃったらあまり意味はないし、実用性はないと思うわよ? ずっと私に張り付いてなんかいられないでしょう?」
「そうだねー……」
 彼女の理論は、それなりに正しかったのかも知れない。でも実用性は皆無。このままではね。
「ずっと張り付いてる……か。薬じゃダメなのかな……」
 ぷるんと首をかしげながら悩む彼女。その間は刹那。すぐにニパッて笑い出した。
「とりあえず後で考えよ。ね、もうちょっと……いいでしょ?」
「え!? ちょ、待って、そろそろ買い物、ん、や、あんっ!」
 理性よりも本能。魔物だから私達は……こんなんでいいのかな……って悩む理性は、程なくしてかき消えてしまう。

 後日談……彼女は「常に張り付く」という事をキーワードに、「スライム素材の薄手ストッキング」の開発に着手したとか。スライム素材のストッキングって全然想像できないんだけど……その完成が、楽しみなような怖いような……怖い方が大きすぎるわ。

web拍手

戻る