教育

 何処の世界でもそうだけど、教育ってとても大切で、とても大変。
 教える側って苦労するのよ。特に教育を受ける側が「教えて貰っている」って自覚がないとね。覚える気もない癖に、覚えられないと「教え方が悪い」とか言い出して、しまいにはモンスターペアレントになるなんてケースも……まあ私の場合モンスターペアレント以前に、相手が既にモンスター……人外だってことも多いけど。
「だからね……ただ舐めるだけじゃダメなの。もっと相手のことを考えて、気持ち良くさせないと」
 よほど自分の舌技に自信があったんだろうな……私に言われて、しょげちゃったよこの子。そりゃまあ……舐めるのが仕事というか、そういう妖怪だからね。
 妖怪垢嘗め。風呂場や古屋敷に貯まった垢や埃を舐め取る妖怪。特徴は長い舌。その舌を使っての愛撫で女の子を逝かせる……っていうのを目指している。けれど現実は……んー、物は良くても扱い方がなってないというか。
 そもそも、この子……童貞なのよね。そんな子がAV男優になりたいとか……まあもちろん、目指すのは勝手だけれども、夢見がちな童貞君を教育しろって任される私の身にもなって欲しいというか……オーナーも無責任よね。童貞君を食べられるだけ「美味しい」じゃないとか……あの人に何を言っても無駄か。
「あっ、あの……どうすれば……気持ちいいんですか?」
 目を潤ませながら、それでも私をジッと見つめ尋ねてくる坊や。ほんっとにもう……可愛いなぁ……って、これじゃ本当に私が童貞好きの痴女みたいじゃない。
 でもタダの痴女とは違うのよ。私はこの子を教育しなければならない。ただ言われるままに腰を振る童貞君を味わうんじゃなくて、童貞君に手取り足取り「女」の扱い方を教えなければならないんだから。
「まず、感じるポイント……敏感な場所を覚えないとね」
 この子は褒めて伸びるタイプかな? 叱られて育つタイプかな? どちらにしても、最初は優しく丁寧に教えてあげた方が無難かな。
「例えばそうね……乳首とか、自分で弄ったことある?」
 私の質問に顔を赤らめてちょっと俯く。そして小さな声でハイとお返事。もー、かぁわぁいぃいぃ! 虐めたくなっちゃうわ。でも今は教育教育。童貞キラーの熟女じゃないのよ私は……なんだかんだでこの仕事を楽しんじゃってる自分にちょっとだけ苦笑いしつつ、講義を続ける私。
「ならなんとなく判るでしょ? どこが一番敏感で、どうやって触れば気持ち良いか」
 やはり俯いたまま、童貞君はハイと返事。
「じゃあ、乳首の何処が気持ち良かった?」
「あの……さっ、先っぽ……」
「そうね。じゃあ、どうやって触ると良かった?」
「軽く……触るのが……」
 どんどん顔が真っ赤になってくわ。本当にウブねぇ……これでAV男優を目指すとか、そこにどうして行き着くのやら。
「そこまで判るなら大丈夫ね。同じ事よ? ただ乳首を舐めるんじゃなくて、軽く、そっと撫でるようにするの」
 舐めれば気持ちいい、揉めば気持ちいい、入れれば気持ちいい……女を知らなければ知らないだけ、そう勘違いする男は多い。
 彼にしてみれば、長い舌で人間より色んな場所をたっぷり舐められるんだから人間の愛撫よりも気持ち良いはずって思ってたみたい。それは確かにその通りなんだけど、それはそれ相応のテクニックがあればって話になる。
 逆に言えば、テクニックがあれば彼は凄いAV男優になれる可能性もあるって事なんだけどね。誰でも初めてはあるんだから、ここでキチンとテクニックの基礎を学んで貰わないと。いずれは私を本気で逝かせられるような……って、まるで燕を飼ってる痴女みたいじゃないこれじゃ。まあいいけど……これも仕事だから。なんだかオーナーにこんな私の性格を見透かされていたようでちょっと悔しいけどさ。
「それじゃあそうね……実際、体感して貰った方が判りやすいかな?」
「えっ?」
 戸惑う坊やに私は近づき、彼の背に手を添えて軽く引き寄せる。そして頼りない胸板に顔を近づけ、舌を出し、彼の乳首にそっと舌で触れる。
「んっ!」
「あら、可愛い声出すのね」
 思わず微笑んでしまう私。そしてチロチロと舌を動かして可愛い坊やの喘ぎ声を奏でさせる。
「ん……ハァ、ハァ……んっ!」
 男の子としては、こんな事で声なんか出したくないわよね。だから出ないように我慢しているみたいだけど、私の攻めに童貞君が耐えられるわけないわ……っと、虐めるのが目的じゃなかったわね。
「あなたも私に、同じようにしてみて? 私の乳首を舐めて」
「あっ、は、はい……」
 彼も私の攻めに夢中になっちゃって、自分が何しにここへ来たのか忘れちゃってたかな? 思い出したように彼は返事をして、長い舌をニュルリと伸ばし私の乳首にその先を触れさせた。私の真似をして、舌先で乳首を転がし始める……まさに乳繰り合うって感じね。
「んっ! そう、いいわよ……そのまま続けて。ん、ベロ、クチュ……」
「は、はひ……」
 声を聞かせてあげたら、あからさまに喜んじゃって……もう、いちいち可愛いなぁ。
 本当なら色々サービスしてあげたい……唇を押し当てたり、吸ったり、歯で甘噛みしてあげたいけど、それをやってしまうと、舌だけの彼には真似できないのよね。だから愛撫技でも舌技限定。制限されるとちょっと辛いけど、でもあくまでこれは彼のAV男優修業だからね。
 だいぶ慣れてきたみたいだから、今度は乳首の先端……乳管に舌先を入れ込むように突いてみる。
「はふ!」
 もー、いちいち声と反応が可愛すぎる。やばいわ、このままこの子を「飼って」みたくなる。でも、そんかな可愛い坊やも感じてるばかりじゃなく、ちゃんと実戦しようと懸命ね。なかなか教えがいがあるわ。ならもうちょっと次のステップに進んでも良いかな。
 起った乳首の周囲をペロリと素早く舐めて、突起を押しつぶすようにくっと舌を押しつける。ゆっくりと舌を動かして、最後は舌先が乳頭の先に触れる程度でピタリと止める。そこからのの字を書くようにゆっくりと舌を回して乳首を虐める。そして乳首の付け根をほじるようにして攻め立て……ふふ、坊やも声を上げながら真似してくるわ。
 自分が気持ち良いことをそのまま相手にする……リアルタイムでこれが出来るんだから、覚えも早いわよね。舌が長いから出来る、彼だからこその教育法かな。
 さて……乳首はこんなものかな。いい加減乳首ばかりなのもね。舌の愛撫はここだけじゃないから。私は彼に舌を這わせたまま、乳首から上……首筋に移動する。彼の舌も私の身体を蛇のようにうねらせながら上へと登っていく。
「そうそう、あなたの場合は舌を身体にピッタリと貼り付けた方が良いわね。言われなくても出来るなんて、凄いわね」
「はひ、はひはほうごはひはふ」
 照れてる照れてる。舌を出したままだから上手く話せないのに律儀にお礼を言うなんて、本当に可愛いわ。
 私は再び彼へ舌を伸ばし、首筋にツツッとその舌先を走らせる。まずはうなじ。そこから顎のラインに沿って舐め進めながら、顎先で止めて、そこからはのど仏へ。首の付け根でちょっと舌を押しつけるようにくるっと一舐めしたら、鎖骨に反って反対側のうなじへ。8の字を描くように舌を這わせ進ませ、弄ぶ。本当ならキスマークとかをいっぱい付けてあげたいけど、これは彼への教育だからね。舌だけでご奉仕。
 ウネウネと彼の舌も私の身体を舐め進む。ベットリと張り付く舌も、舌先が動く度に微かに動いたり舌全体がビクッて反応したりで、違う感触で私を楽しませる。
 ひとしきり首をベトベトにしてから、今度は先ほどとは反対側の乳首へ。そこも舌先で乳首を舐めたり突いたり、あるいは乳首の根本をコリコリ虐めたり。彼の反応と私への愛撫を楽しんだら、今度はそのまま下へ。
 ちょっとマニアックなポイントだけど、次はおへそ。ここも結構、鍛えると感じるようになるのよね。実際に女の子がここを性感にしちゃえるようなら、その娘はそうとうエッチなのかもしれないけど、客観的にAVを見るとき「ん、おへそまでぇ!」とかやったら良さそうでしょ? なので実際に感じてくれるかは別にして、おへそを攻めることを覚えさせないと。あ、もちろん私はおへそも感じるわよ。だから私は自分がして欲しいように彼のおへそを攻める。
 まずはおへその周りをくるくる舌先で円を描くように舐める。そして舌先を真ん中へ。へそのごまをほじり出すように、舌をクチュクチュとねじ込んだり掻き出したり。
 そういえば……彼は垢嘗めだから、実際にへそのごまとかあった方が嬉しいんだろうな。残念だけど、私は清潔にしているからないのよね。
 そもそも彼は初めからAV男優を目指していたんじゃないんですって。最初は……なんて言えばいいのかな、エステティシャン? 一時期流行った垢擦りをヒントに、擦るんじゃなくて垢を嘗め取る美容を流行らせたいと。だけど……それを「美容」のみを目的にやられるのはちょっと……ねぇ? 身体を嘗め回されるって、エッチな事じゃない? だから美容としてのそれは職業にならないだろうって、そう言われたらしいのよ。で、だったらもうエッチなこと目的で……と、その矛先がAV男優になったって事らしい。自分が童貞だって言う、根底の問題を棚上げにしてね。
 まあ……それでもこうしてたどり着けちゃうんだから、夢は見ておいた方が良いのかしら? 夢って言うより、いかにも童貞君らしい妄想だけれども……。
「ねえ、私のおへそは美味しい?」
 なんとなく訊いてみたくなった。
 彼は舌を止めて舌足らずにならないよう気をつけながら……いや、これで「足りない」ってことは無いけど……言葉が聞き取りやすくなるよう気をつけながら話し始める。
「美味しいですよ……垢とかは少ないですけど、汗とか色々、美味しいですから」
 彼の話では、垢があるならあるなりの、無いなら無いなりの、「肌の味」があるんですって。まあ……それなら美味しいって言われるのは褒められてるって思って良いのよね? 不潔って意味じゃないんだから……ね?
 おっと、脱線脱線。私は再び攻めを開始。彼も私にあわせて舌をピタリと貼り付けてくる。またちょっとおへそを舐めてから、またその下へと舌を進ませる……けど。
「ここからは、同じには出来ないわね」
 男と女では違う物がそこにあるから。でも一番大切なポイント。ここをじっくりと教えないと。
「良く見て……ここがオマンコ。で、これがクリトリスね」
 パックリと股を開きよく見えるようにしてから、指で自分のを弄りながら説明する。童貞君には刺激が強かったかな? ちょっと目が血走ってるわよ。
「まずはクリトリスね。ここは乳首と同じように舐めてみて」
 判りやすいように、私は両手の人差し指でクリトリスの脇をぐっと押し開くようにしてクリトリスを際だたせる。彼は長い舌を伸ばし、その先を私の陰核に触れさせた。
「ん、そう……いいわ、上手よ。そう、そこ……んっ! いいわ、そう、その調子……」
 舌先で転がし、時折舌で包むように押しつけ、擦り、根本を虐める。乳首とは「感度」が違うからよりデリケートに扱う必要はあるけれど、攻め方は乳首と同じで問題ない。もちろん乳首とは違う攻め方もあるし、色々テクニックはあるけれど……今の彼にそれを教えても覚えられないだろうから。
「ほら、判る? ちょっと濡れてきたの……そう、オマンコ。そこを舐めてみて」
 僅かにテラテラと濡れ始める淫唇。彼はその濡れたいやらしい唇に舌を這わせる。僅かなわき水を求めるように、染み出る愛液を丁寧に舐め取っている。
「そう、ん、そこ、舐める時に、クリも……そう、いい、いいわよ、んっ! その調子……んっ!」
 息を荒げ私の股間を凝視しながら、しかし彼は丁寧に私を攻め立てる。良い感じじゃない。これなら仕上げに入っても良いかな?
「そのまま舌を入れて、良いわよ……ん、ゆっくり、そう……んぁあ! いい、そのまま奥へ……」
 彼にしかできない大技。舌を膣へ押し入れて中から舐める。これが女性側にしてもAV的にも、盛り上がるところ。だからここを一番丁寧に教えなければ。
「最初はゆっくり動かして……そう、中でウネウネ……いい、そうよ、そのまま……んっ!」
 舌をグラインドさせ、まずは中から舐める感触を。膣に入れているのが肉棒じゃなくて舌なのだから、舌にしか出来ないことをさせないと。
「奥……判る? 子宮口なのそれ……ん、いいよ、それ舐めて……ひぐっ! いい、大丈夫だから、もっと舐めて……」
 肉棒が奥にまで届くことはあっても、舐められるなんて事はまずありえない。この快感は彼でなければ与えられない特技になる……んだけど、でもこれって当事者にしか判らないのよね。まあここは女優側に「子宮舐められてるぅ」とか言わせて、見てる人に想像して貰うしかないかな。これ、実際舐められると……凄いのよ。童貞君の癖にやるじゃない。
「ちょっと下げて……そこ、ん、そこ私のGスポット……そう、そこをね、んぁ! いい、いいよ。もっと舐めてね……んっ!」
 本当は子宮口と順番逆の方が良いけれど、Gスポットって童貞君には判りにくいよね。人によって場所が違うから。Gスポットと子宮口を舐めさせ、時折舌全体をグラインドさせたりピストンさせたり、とりあえずツボは覚えてくれたかな? とりあえずここまで出来れば後は女優が「演技」でカバーしてくれるはず。もっとも、演技する必要はないかも。これ、かなり気持ちいいわ。
 前戯はまだ未熟だけど、そこは経験を積ませるしかないかなぁ。AV的にはこれが出来れば……あ、でも別の問題もあるか……彼を見て、それに私は気付いた。
「ふふ、辛い?」
 見れば彼の肉棒がガチガチに固くなってる。興奮しっぱなしなのに、そこはまだなにもしてないものね。
「いいわよ、舌を抜いて……我慢できないでしょ?」
 お勉強はここまで。ここまで頑張ってくれたご褒美をあげる時間かな。
 ご褒美はもちろん、筆下ろし。童貞君を卒業させてあげること。彼は激しく首を振りながら、舌をすぐに引き抜いた。
「そうね……初めてだからいきなり背面坐位は無理か」
 AV的な絵図を考えるなら、背面坐位で女優を抱きながら、胸を手で揉みつつ舌で体中を嘗め回すとか、そういうのが興奮できると思うんだけど……流石に童貞君の筆下ろしでそれは無理がある。
 私は彼をベットに寝かせ、私は彼の上に跨った。天上に向けそそり起つ彼の肉棒を掴……むと、私の手が白く汚れた。
「よっぽど我慢してたのね……いいのよ、初めてなんだから仕方ないわ」
 そんな泣きそうな顔されちゃうと、虐めたくなっちゃうじゃない。可愛いなぁもう。汚れた私の手を舐めて綺麗にしなさい……とか言いたいところだけど、その言葉をぐっと飲み込んで、私はそのまま彼の肉棒をしごき始める。
「ほら、もうこんなに……ね、若いんだから大丈夫でしょ?」
 まあ、私もまだ若い……はずだけれど。再び硬さも大きさも取り戻した彼の肉棒を、今度こそ私の淫唇へと導く。そしてゆっくりと腰を下ろし、私の中へ彼を導く。
「んっ、入ったわね……ふふ、卒業おめでとう」
 彼に跨りながら、私は微笑み祝福する。
「はい、ありがとうございます……」
 元々赤い顔を更に真っ赤にして、彼が歓喜の声を上げた。でも、本番はこれから……気持ち良いのはこれからなんだから。
「ん、どう? 私の……中、気持ちいい?」
「はい、はい、気持ちいいです、気持ち、いいです、すごく、いいです!」
 もう、夢中になっちゃって……我慢できないのか、彼も腰を動かしてる。
 正直……彼の場合、この肉棒より舌の方が断然気持ち良い。けれど肉棒には肉棒の良さもあるし、なにより……ふふ、この反応。初々しい男の子の反応を見ながらっていうのは、そそるわね。
「う、もう、もう……」
「いいわよ、また出しても……中に良いから、出して頂戴」
 宣言から三回も腰を動かすことなく、彼は私の中で果てた。けれど……私は動かしている腰を止める気はない。
「気持ち良かった? なら、また気持ち良くしてあげる」
「ああ……また、これ、ん、ああ……」
 すぐに大きくなる肉棒。いいわぁ、若いって……もちろん私も若いけど!
 ひたすら腰を振り続ける二人。このままでも良いけど……ちょっとだけ、授業の続きをしましょうか。
「舌、私に絡ませて」
 長い舌が私にぐるぐると巻き付く。先ほどまで教えた舌先でのテクニックを用いて、乳首を攻めてくれる彼。
 本当ならもっと、この長い舌を活用して全身を愛撫することも出来るけど、童貞君だった彼に、腰を振って乳首を舐める以外の余裕なんて無いわよね。見た目だけなら、女性が長い舌に巻き付かれながら騎乗位で腰を振ってるだけでもエロいでしょ? まずはそれだけで充分かな。AVだからまずは見た目。本気で女性をよがらせられるようになるには、もっと女性を抱かないとね。
「ま、また……」
「遠慮しないで、出して良いのよ……ん、ふふ、またいっぱい……」
 三度目の射精も早かった。でも量は結構ある。これが若さ……まあもう、いいんだけど。

「ありがとうございました!」
 さわやかな笑顔で礼を述べる、AV男優の卵。
 デビューするまでにはまだ早いけど、私が彼を教えるのは今日だけ。本当はもっと色々教えてあげたいけれど、私が付きっきりだと、彼が私に「なついて」しまうから。それに出来る限り色んな女性と経験を積まないとダメだから……私はここまで。
 今後はオーナーが経営している店の娘達が相手をしてくれるらしい。オーナーの店か……サキュバスの娘さんとかも大勢いるけど大丈夫かな……
「デビューできたら一緒にお仕事しましょうね。今度はカメラの前かしら?」
「はい、是非!」
 元気があって初々しくて……いいわねぇ。でも男優になったらこの初々しさも無くなっちゃうのよね。ちょっと残念。折角だからこの初々しさがある内に、一本撮った方が……ショタって需要無いのかな?……企画書でも書こうかな。
「では失礼します」
「ええ、頑張ってね」
 玄関の扉が閉まるまで彼を見送り、閉まったところで……ちょっと溜息。
 可愛かったけど、やっぱりちょっと疲れるわ。教育するって難しい。それに……大きな問題が残るのよね。
 私は携帯電話を充電器から外し、短縮番号で電話を掛ける。
「……あっ、王子? 私。うん……いいじゃない、たまには私からでも……ええ、お願いね。それじゃ」
 童貞君じゃあね……可愛いけれど、満足できないのよ。むしろ可愛いからこそ余計に身体が火照っちゃって……王子来るまで待てないかも。
 まだあの子の、中にちょっと残ってる……ん、やだ、止まんない……このまま、王子来るまで……ん、やっちゃおうかな……テクニシャンになったあの子を想像しながら、まだ終わらない夜を楽しんでいく……。

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