「あけまして、おめでとうございます」
俺の前に今、着物を着た四人の女性が横並び、深々と頭を下げ新年の挨拶をしている。色とりどりの着物姿。艶やかなその光景に、思わず見惚れてしまいそうになるところ。
しかし俺の反応は、少々鈍り違う方へと向かった。
「……どうしたんだよ、突然」
俺は驚きと戸惑いを隠せずにいた。
この時期、着物を着て新年の挨拶を交わすことはけして珍しいものではない。が、目の前にいる美女達が着物を着ていること自体に俺は驚いていた。
「可愛いでしょ? アルケニーが作ってくれたんだよ」
と、まずはスキュラが俺の疑問に答えてくれる。
「作ると言っても、既製品の物に手を加えただけよ。さすがに一から着物は作れないわ」
そして名指しされたアルケニーが説明に補足する。
「折角日本に滞在しているのですから、着物は是非着てみたかったんですの」
ただ着物に合わせて「髪」をアップに出来ないのが残念と付け加え、メドューサが動機を語る。
「私は何度かあるんだけどね。ほら、お店にいた時はそういう「フェア」があるから」
唯一手を加えていない着物を着ているエムプーサが、クルリと回りはしゃいでいる。
「もっとも、お店で着た着物にはスケスケのもあったんだけどねぇ」
そして舌を出し、悪戯っぽく笑った。
「あ、それも良かったかも。これからのことを考えると」
これからのこと? スキュラが唐突に妙なことを口走った。
なんとなく、漠然に、四人が何を考えているのかを察してしまう……。
「うん、綺麗だよ四人とも」
察したことはあえて口にせず、俺は有り体の褒め言葉を口にした。
着物を着た四人はギリシャ出身。日本の滞在もそれなりに長くなったが、エムプーサを除いて着物を着る機会も、着られる着物そのものもなく、これまで着たことがなかった。
初めての着物姿。俺は新鮮なその光景に、素直な気持ちで見惚れている。ただ素直になれないところがあるとすれば、「これからのこと」がもう既に心のどこかで引っ掛かっていることか。
「さて、折角着物を着たんだから、日本の「風習」を楽しみましょうか」
アルケニーの言葉を皮切りに、四人はジリジリと俺に迫ってくる。
俺は思わず一歩退いてしまう。
「ちょっ、待て、なんだよ、その「風習」って」
予測はしている。ベタな物を。だがとりあえずは聞いてみる。
「あら、日本の方なら皆さんご存じでしょう?「姫始め」というものは」
姫始め
頒暦(はんれき)の正月に記された暦注の一。
正月にやわらかくたいた飯(=姫飯(ひめいい))を食べ始める日とも、「飛馬始め」で馬の乗り初めの日とも、「姫糊始め」の意で女が洗濯や洗い張りを始める日ともいわれる。
……などと、goo辞書をコピペしたボケをかましたところで意味はない。
むしろこの場合、その辞書に書かれた二番目の意味の方が正しい。
新年にはじめて男女が交わること。
こっちだ。
今メドゥーサは「日本の方なら皆さん」と言った。
確かに意味は成人なら知っている人も多いだろう。
しかしこれは「風習」とは言い難い。何にでも理由を付けて交わりたいための言い訳に過ぎない。
そう、今の彼女達のように。
「待て待て、風習かどうかはさておき……いっぺんにか?」
正直、姫始めは覚悟していた。ある程度の人数も覚悟していた。がしかし、流石に四人を一度に、と要求されるとは思っても見なかった。
「あら。あなただって、四人の着物美女に囲まれて酒池肉林なんて、こんな美味しいシチュエーションを逃す手はないんじゃないの?」
そう言われればその通り……いやいや、あやうくアルケニーの言葉に流されそうになる自分を思いとどまらせた。
確かに男の願望として、これは美味しいシチュエーションに間違いない。
しかし現実問題として……その……もつのか?
「心配しなくても、ここに強烈な「薬」も用意してあるから。大丈夫、安全性は保証するって」
エムプーサが取り出した瓶は、魔女印の優れもの。着物のことも含め、準備万端ということらしい。
ここまでされたのなら……俺はもう、男として引けないところまで追いつめられていた。
既に着付けの段階から、四人は「やる気」だったようだ。
簡単に着崩れるようにしていた着物はあっさりとはだけ、八つの豊満な胸が露わになっている。
しかし完全に帯を取ることなく、はだけたままで四人は俺に迫ってきた。
俺はと言えば、完全な素っ裸。
特に着物を着ていたわけでもなく、まして着ていたところで視覚的に楽しませてやれるわけでもないのだから。
楽しませてやるつもりならむしろ、裸になった方が好都合。
「では、私から頂きますわ」
魅惑的な四人の姿を見ただけで元気になっている俺の大蛇。
メデューサがかがみ、その大蛇をぱくりとくわえ込む。
「んっ、くちゅ……んっ……相変わらず、美味しいわ……ちゅ……」
軽く音を立てながら、メデューサは真っ赤なサングラス越しに俺を見上げ手と顔を前後に揺らしている。
「あっ、取られちゃった。なら私はこっちかな。ねぇ、ちょっとだけ足を開いて」
エムプーサが後ろに回り、俺に注文をする。
そして彼女もかがみ、両手で尻たぶを掴み横へ広げる。ついで顔を尻に埋め、舌を菊門へと伸ばしてきた。
「ちゅ……んっ、なんだ、あなたも期待してたんじゃないの? ちゃんと綺麗にしてるじゃない……んっ、ちゅぱ……おいし……」
さしもの前後同時攻撃に、俺は軽く声を上げてしまう。
「あら、みんな手が早いわね。じゃあ私は正統派で……メデューサ、上ゴメンね」
謝罪しながら、アルケニーはメデューサの上をまたぎ、のしかからないよう蜘蛛の足を少し伸ばす。
そして手は俺の頬に触れ、軽く引き寄せる。
自らも顔を前に出し、そして柔らかな唇を重ねてきた。
「んっ……くちゅ……ぷはぁ、あん! 胸……ん、よく揉んで、ね……んっ……」
舌を絡めてくるアルケニーに、俺はお返しとばかり空いている両手で彼女の両胸を掴んでいる。
そしてゆっくり優しく、きつく激しく、強弱付けながら豊かな胸を揉みしだいていく。
アクセントを付けるたびに舌が止まり、そして舌の動きはより快楽を求めるよう激しさを増していく。
「あーん、みんな早いよぉ。全部取られちゃった……」
一人、スキュラだけが乗り遅れた模様。
三点を攻められている俺は、確かにスキュラのために与えてあげられる物が無い……かに思えた。
「よーし、なら私はみんなの「攻め」になっちゃうぞー」
言いながら、スキュラは俺の背後へと回る。
「エムプーサ、上ごめんねぇ」
アルケニーのように、スキュラはエンプーサの上をまたぎ、俺の背中に張り付いてきた。
そして両手で俺を抱きしめるよう豊満な胸を俺の背に押しつけ、そして大きく上下に擦り始めた。
「これだけでも、ん、気持ちいい……ん、あったかいよぉ」
スキュラは生殖器がない代わりに、胸の感度が異様に高い。
こうして俺の背に胸をこすりつけるだけでも、彼女は極上の快楽を楽しむことが出来る。
しかもいつの間にか、彼女は胸元にローションか何かを練り込んでいた。
その為胸は滑らかに動き、彼女自身も俺も、心地よさを共有できている。
「でもこれだけじゃ、ん、終わらないんだから……」
耳元で囁くスキュラ。しかしその言葉は俺というよりは残り三人に向けられていた。
「んっ! ちょ、スキュラ、いきなりそん……あっ! んっ……」
スキュラの舌にいたエンプーサが、快楽の声を上げ始めた。
真後ろの様子は俺からでは見えないが、何が行われているかは何となく想像できる。
そしてその想像が、今度は目の前で起こり始めた。
「ひゃっ! こっちも? ん、そこ、んっ、ちゅ……あはぁっ!」
唇と舌を放すまいと懸命なアルケニーだが、それでも時折喘ぎ声が漏れてしまっている。
その原因は彼女の胸を揉む俺の手にある……だけではない。
スキュラがタコの足と蛇の頭を伸ばし、アルケニーの身体を攻めている。
胸はもちろん、腰や届きにくい陰核へまで伸ばし、いじり倒している。
おそらくスキュラの真下にいるエムプーサも同じような状況だろう。
そして当然のように、その足と首はメデューサへも及んだ。
「あぁ、いいわスキュラ……そこ、んっ、気持ちいい……んっ、ちゅっ、ちゅぱ……」
既に二人を見ているからか、メデューサは臆することなくスキュラの足と首を受け入れ愉しんでいる。
それでも口に含んだ大蛇への攻めは緩むことがない。
彼女の口内にある蛇のような舌は、俺の大蛇に絡み続けている。
そしてスキュラの攻めに慣れ始めたエンプーサも、俺の菊門を舐める舌がまた活発になり始めた。
むろん舌同士を絡めているアルケニーもしかり。
背中に感じるスキュラの胸も速度落ちることなく擦り続けられている。
四人同時に攻められては、俺もそう我慢し続けるのは無理というもの。
「んっ、ちょ、もう……」
求め続けるアルケニーの唇を申し訳なく思いながら放し、俺は下で屈んでいるメデューサに来る物が迫っているのを告げた。
それを受け、目を細め嬉しそうにするメデューサ。
細めた目に掛けられている赤いサングラス。アレが完成するまで男を知らなかったはずのメデューサも、今では元来の美しさに妖艶さを増して輝くようになった。
それに比例するかのように、彼女の唇と舌、そして手は巧みさを増している。
覚えたての、しかし濃厚で甘美な白濁液を絞り出そうと、メデューサの動きは激しさを更に増す。
「くっ!」
俺はメデューサに見つめられ、石になる代わりに彼女の求める物を大量に吐き出した。
ドクドクと口内に注がれる白濁液。それをこぼさぬよう口いっぱいに含んでいる。
「あっ、私にも頂戴」
「あん、私にもぉ」
「ずるいぃ、私にも頂戴よぉ」
残った三人が、立ち上がったメデューサに駆け寄った。
メデューサは口に含んだ白濁液をこぼさぬよう、順に唇を通して分け与えていく。
僅かに唇の端から零れる白濁液を指ですくいながら、四人はねちゃねちゃと口の中で味と感触を愉しんでいる。
妖艶な四人の姿をまざまざと見せられ、一度はしおれた肉棒もすぐさま立ち上がる。事前に飲まされた「薬」が効いているのだろうか。それとも、俺が本来持っているスケベ心がそうさせたのか。
「さっすがぁ、淫魔殺しは伊達じゃないわよねぇ」
白濁液がこびりついた指を舐めながら、エムプーサが瞳を輝かせいきり立つ肉棒を見つめている。
「ねぇ……先に、良い?「これ」舐めちゃったから我慢出来なくて……」
俺の血と精液は、魔女に盛られ続けた「薬」の為に、おかしな特性が加わってしまっている。
それが「淫魔殺し」と彼女が言う特性。淫魔や吸血鬼にのみ効果の出る催淫効果。
淫魔であり吸血鬼でもあるエムプーサは、四人の中で唯一この効果を受けてしまう。
それを知っている他の三人は……多少不服はあるものの……彼女の願いを聞き届けることにした。
「でも一人だけというのも何だし……メデューサ、ちょっと来て」
エムプーサはメデューサを手招きし、俺に背を向けた。そして四つんばいになり、俺へ尻を向けねだり始める。
「お願い、こっちに入れて……ほら、もう準備は出来てるから」
尻を向けながら、唾液と精液で濡れた手で菊門を撫でている。
俺の肉棒もメデューサの唾液によって既に「滑り」は良くなっているはず。確かに準備は整っていた。
俺は突き出されたエムプーサの尻に手を当て、軽く尻たぶを押し広げながら、一気に肉棒を付き入れた。
「んっ! ……はあぁ、きくわぁ……あっ、ちょっとそのままでいて」
早速腰を動かそうとした俺を制して、エムプーサは膝を付いたまま上半身を起こし陰核を自らいじり始めた。
いじられた陰核はみるみる大きくなり、本物顔負けの肉棒へと変化を遂げる。
「メデューサ、これ、入れて……」
俺もメデューサも、エンプーサが何を言わんとしているのかを理解した。これは変則的な3Pだ。
メデューサはゆっくりと近づき、片手の指で自ら陰門を広げ、片手でエンプーサの肉棒を掴みそこへと導いた。
「んっ! エンプーサさんの、大きい……」
「さすが、メデューサのはきついわ……」
長さも太さも、おそらく俺のよりエムプーサの方が大きいはず。
妖艶になったとはいえ、まだ「男は」俺しか知らないメデューサには少々きつそうだ。
しかし……俺の知らないところで色々と「交流」のある二人は、どうも慣れてはいる様子。
「そのまま動……んっ! もう、いきな……あっ、んはぁ!」
「いっ、あっ、奥まで、きて、はぁっ!」
待ちきれない俺は、結合を確認したところですぐさま腰を動かし始めていた。
最初こそ驚いたエンプーサだが、すぐに順応し俺に合わせ腰を動かし始める。と同時に、メデューサもエンプーサに合わせ腰を動かし快楽をむさぼり始めた。
「二人とも、んっ、いいわ、前と、後ろから……いっ、んぁ! いい、気持ちいいわ……」
「ああ、エンプーサさん、んっ……」
快楽に惚けるエンプーサの頬に手を当て、メデューサは顔を近づけ唇を重ねた。
そして彼女は、長い蛇の下半身をぐるりと前へ回し、俺とエムプーサ、そして自らもその尾でぎゅっと抱きしめる。
密接する上半身。多少腰を動かし辛くはなったものの、それを補ってあまりある圧迫感による快楽が心地良い。特にエンプーサは、前後を俺とメデューサに挟まれ強い圧迫感を感じているはず。
二人ともたわわな胸を持っているだけに、出来れば俺がその胸に挟まれたいとすら思う。
「んっ、んん、はぁ、い、いいわ……もっと、きつく、あは、はさまれて、わたし、ん、んっ……」
「んん、もっと、した、のばして、ください、もっと……したのも、もっとおく、おくまで……んっ、い、いい!」
チラリと視線を横に向けると、アルケニーとスキュラがこちらを見ながら交わっていた。流石に見ているだけでは我慢出来ないようだ。
そんな二人の様子を見て更に興奮度が増した俺は、腰の動きにも力が入る。限界も間近だ。
「いい、いく、そろそろ……もっと、だきしめて、ふたりとも……ん、いい、だして、おしりに、わたしも、だす、んぁっ! だす、から……」
「わ、わたしも、いき、いきま……んっ! いく、いく、いっ……くっ、あはぁ!」
ビクッと痙攣を先に始めたのはメデューサだった。
それに釣られ、彼女の尾に更なる力が加わる。
より極まる圧迫感。それが止めになったのか、すぐさまエムプーサが続いた。
ぐっと締められる菊門。そして俺がそれに呼応し、彼女の腸へと白濁液を注ぐ。
しばしの硬直。そして次第に、メデューサの尾が緩み始めた。
軽く息を吐き出す俺とは対照的に、二人とも息絶え絶えにぐったりとしている。
しかしどこからか、喘ぎ声は響いてくる。
いまだ交わり続けているアルケニーとスキュラの声だ。
俺はエムプーサの尻から肉棒を抜き出し、二人に近づいた。
「あっ、やっと来たぁ」
「待ちくたびれたわよ、ねぇ、早くぅ」
待ちくたびれたという割りに、随分と愉しんでいたようだが。
俺はすぐにでも入れてやりたいところだが、
流石に二度目を出したばかりでは、淫艶な二人の姿を見てもすぐに息子が回復する様子がない。
「あは、まずは私のでおっきくしてあげるぅ」
スキュラが自ら両手で自分の胸を横から押し、それをぷるぷると振って見せた。
そこは生殖器のない彼女にしてみれば、最も感度の高い生殖器の代用部。
俺は自分で息子を握り、胸の谷間へと押し入れる。
「ん、すごい、どんどん大きくなってく……んはっ、ん、感じちゃう……」
胸で挟み身体を動かしながら俺の息子をしごくスキュラ。
それと平行し、彼女はアルケニーへの「攻め」も忘れない。
人に奉仕し悦んで貰う。それが彼女の快楽に直結する行為。自覚はないだろうが、SMの境地に少し似ている。
「ん、なんか色んな味がする……おいしー……」
充分に大きくなった俺の息子、その先端をチロチロ舐めながら、スキュラの奉仕は続く。
豊かな胸を動かしながら、しかし固定された息子を極力揺らさない。
揺らさないからこそ出来る、舌先での奉仕。その舌先は尿道をかるく突いてくる。
彼女はこの手の行為なら、淫魔エムプーサでも太刀打ちできないテクニックを秘めている。
「ごめん、これ以上は……」
本当なら、このまま出したい。スキュラの顔と胸に、たっぷりと子種をまき散らしたい。
しかしそうしてしまったら、折角大きくして貰った息子が又しぼむ。
それはつまり、待ちわびているアルケニーに申し訳ないこと。
スキュラはニッコリと微笑み、俺の息子を解放した。
そして攻め続けているアルケニーに唇と舌、そして胸を預けに行く。
俺はというと、息子が縮まないうちにと手早くアルケニーの下へと潜り込む。
「やっと来た……ん、んっ! いっ、これだけで、今逝きそう……」
充分に濡れていたアルケニーの膣は、すんなりと俺の息子を迎え入れた。
そして入れた途端、ぎゅっと膣が息子を締め付けてくる。
「来て、突き上げて……ん、あぁ、いい……ん、来てる……」
「アルケニーさぁん……キスぅ、キスして下さいぃ……ん、くちゅ……ん、むねぇ、胸も揉んでくださいぃ……ひゃぁっ!
い、ん、気持ちいいですぅ……」
下からは俺、前からはスキュラ。アルケニーも又、先ほどのエムプーサのように二人に挟まれ攻められ喘いでいる。
スキュラは自ら快楽を得ようとアルケニーにねだり、そして足と蛇の首をアルケニーと俺に絡みついてくる。
「んっ、ん、んっ……ぷはぁ、んっ、いい、いいわ、もっと、ふたりとも、ちょうだい……ん、ひぁっ! ん、くちゅ……」
「んっ、ちゅ……くちゃ……んっ、はぁ……なめてぇ、ちくびかんでくだ……ひゃっ! かんじゃ、んっ! もっと、もっと……んっ、コリコリしてぇ」
女同士のまぐわいを聞きながら、俺も気持ちをどんどん高ぶらせていく。
三度目だというのに、もう俺の息子は破裂寸前だ。
「いく、もういく、やっと、わたしも……ん、んっ! いく、から、もっと、突いて、ね、んっ、あはぁ!」
「いって、わたしも、きもちいい、から、わたしも、いっしょ、いっしょに、むね、むね、もっと……ん、もんで、なめ、なめて、ねぇ、んっ!」
上下に激しく揺れるアルケニーの身体が俺を叩く。
柔らかい蜘蛛の腹に押しつぶされるのも、これはこれで心地良い。
そんな圧迫に負けじと、俺も叩きつけるように腰を突き上げる。
「いっ! もう、ダメ、いく、いっちゃ、いっ、ねっ、いっしょ……あっ、いっ、く、きたっ、いっ、いっちゃ……あっ、いやぁっ!」
「わたしも、いく、いくから、かんで、むね、もん、む、いっ、ひゃっ! あっ、んあぁっ!」
二人がビクリと身体を震わせたのはほぼ同時だっただろうか。
少し遅れたのが僅かに寂しいものの、俺も二人の後に続き白濁液をアルケニーの中へとたっぷり注ぎ込んでいく。
「あぁ……来てる……嬉しい……」
「んっ、アルケニーさぁん……」
余韻を愉しむように、二人は音を立てながら唇を重ねている。
俺はというと、ぐったりとそのまま寝転がっていた。
ふと視線を上に向けると、そこにはいつのまに起きあがっていたのか、メデューサが歩み寄っていた。濡れに濡れた陰門を両手で押し広げながら。
「ねぇ、次は私の中にいらしてぇ……ほら、あなたが女にしたここが、待ちきれないと嘆いていますわぁ……」
「あん。ねぇ、私のにも頂戴よぉ。お尻だけじゃ満足できないからぁ……」
続いてエムプーサもぐったりしている俺に近づき誘惑してくる。
「あー、私もぉ。まだ胸で逝って貰ってないからぁ」
足下からスキュラが甘えてくる。
「私は……後で良いから、今度はお尻に……ね」
遠慮がちに、恥ずかしげに、アルケニーがねだってくる。
まぁ、これで終わるとは思っていなかったから……ただ、少しインターバルは欲しい。
「あなたはそのまま少し休んでて。今度は私がもーらいっと」
しおれた息子に、なま暖かい感触。エムプーサがパックリと口にくわえ込んだようだ。
それをされると、休むに休めないわけだが……。
「さっすが、もう大きくなってる……」
正直な息子を持て、俺は幸せだよ……。
俺がほぼマグロ状態になりつつも、四人の女達は入れ替わり立ち替わり、俺にまたがり続けていく……。
「一つ疑問に思ったんだが……」
計12回、立ったり座ったりを息子が繰り返し、やっと解放されたとき。
俺は服を……着物ではなく普段着を着て落ち着いた彼女達に向け、今更感じた疑問を口にする。
「着物はアルケニーが準備したとして、着付けは?」
今日日の日本女性だって、着物の着付けが出来る人は少ない。それなのにギリシャ出身の四人だけで、着付けが出来るはずがない。
誰かが手伝ったのは間違いないのだが……そこが問題だ。
ただ着付けを手伝っただけなら良い。
しかしあの着付け、簡単に着物がはだける「エロ仕掛け」か施されていた。となると……色々と「嫌な予感」を感じずにはいられないのだ。
「ああ、アレはお店で」
エムプーサが俺の疑問に答えた。
彼女が言うお店とは、当然昔彼女が勤めていた店、高級風俗店「リリムハウス」の事だ。
確かにあの店なら、着付けが出来る従業員がいてもおかしくない。あの着付けの仕方も含め。
ただ……それだけで終わるとはとても思えない。
そもそも、そもそもだ。今又思い出したが、彼女達は事前に「魔女の秘薬」を準備していた。という事は……。
「もしかしてさ……」
俺はキョロキョロと辺りを見回した。
周囲に妖しい点はないが……僅かばかり、「気配」を感じる。
気配というか……「視線」と言うべきか。
「あー、その……まぁ、交換条件として、ね」
答えを直接口にしないエムプーサだが、俺はそのはぐらかし方と、
そして呼応するように頬を染めるアルケニーとメデューサの態度で一つの推理を成り立たせた。
そしておそらく、これは真相となるだろう。
「覗いていやがったな……魔女達だけでなく、マダムもかよ……」
今年も、またあれやこれやと魔女達とリリムハウスのオーナーには「いじられる」んだろうなぁ……。
色々と準備して新年を迎えた四人を満足させてあげられたのは嬉しいものの、覗き魔四人をも満足させてしまったのはどうにも……今年もこんな年なのかと、大きく溜息をつくしか俺には出来なかった。