第38話「恐怖!キノコパニック」 ある時を境に、街では婦女暴行事件が多発するようになる。 犯人は容易に捕まるが、驚くべき事に加害者と被害者はともに女性だったのだ。そして加害者の女性達は揃って股間に男性器そっくりのキノコを生やしていた。 インラーン帝国のキノコ怪人マタンゴの仕業だ! マタンゴに感染した女性達は男に見向きもしなくなり、このままでは人類は生殖できなくなって緩慢な死を迎えるだろう。 驚異的な勢いで増殖する女性フタナリ化を止める為、怪人マタンゴを倒さねば人類に未来はない! 連続する婦女暴行事件は一向に途切れる気配が無い。 それもその筈、犯行があっていざ捕まえてみれば、なんと犯人は前の被害者なのだ。 そして、必ず彼女らの股間には本来ならば女性には無い筈の男性器そっくりの器官が備わっていた。 連続して起こる暴行事件の被害者が、必ず次の加害者となる。被害者であるから拘束する訳にもいかず、かといって放っておけば被害者達は加害者となってしまう。 マタンゴが放つ胞子が女性の体内に入ると、クリトリス部分が大きく膨らんで股間から見事な茸が生える。これは男性器と同等の機能を有するが、精液のような白濁粘液中に精子ではなくマタンゴの胞子を含んでいる点が大きく違う。しかも粘液の量が半端でなく多いので、至近距離から放出されると避けるのも難しい。 この胞子に感染し半マタンゴ化した女性は日増しに増大していく性欲と、肥大していくクリペニスキノコの誘惑に負けてしまい、最終的には未感染の女性を襲うようになってしまう。 そうして感染者のキノコペニスから放出される胞子に触れてしまうとマタンゴ胞子に感染し、次なる半マタンゴに変貌してしまうのだ。 苦悩するプレキャラ5。 親であるマタンゴを倒せば子であるマタンゴ部分も死滅し、感染した人達は元に戻るはず。 だが、全ての元凶である親マタンゴの居場所がわからない。 ふと、ピンクの脳裏に閃くものがあった。 感染が発覚したのは女性ばかり。あれだけ胞子が撒き散らされているにも関わらず、男の感染者は一人も見つかっていないのだ。目撃者や、犯行現場のすぐ傍にいたケースがあったにも関わらず、だ。 プレキャラ5が全ての胞子を回収し終える前に、男性でも胞子に触れる機会はあったと考えても無理はないだろう。 ただちにプレキャラ5は、数ある暴行事件の現場付近に居合わせ、なおかつ行方不明となっている男性を捜し始めた。 ピンクの推理は的中していた。 胞子に感染した男性は体内の胞子の導くままに親マタンゴの元へ向かう。そしてキノコ人間と化し、マタンゴの養分である精液の供給タンクとなっていたのである。 感染者の痕跡をたどって遂にマタンゴを追い詰めたプレキャラ5。 とてもではないが逃げ切れないと悟ったマタンゴは、即座にプレキャラ5の迎撃を命令。たちまち激しい戦闘の火蓋が切って落とされた。 襲いかかるレッサーサキュバスで構成される戦闘員と、キノコ人間と化した男性被害者達。まさしく人の海と言った戦術でプレキャラ5を食い止めようとするが、プレキャラ5の強さには敵わず、海は刻一刻とその面積を減らしていく。 ついに舞台には、プレキャラ5と、親マタンゴが残るのみとなった。 手下を残らず倒されて猛る親マタンゴの得物は、彼女の股間から突き出した特大キノコから放たれる胞子攻撃。 時にコンクリートをも削り取る超高圧で射ち出され、時に凄まじい粘着性を帯びた粘液がプレキャラ5を絡め取ろうと襲いかかる。 動きを止められれば胞子に感染させられ、プレキャラ5と言えどもただではすまない。それだけでなくマタンゴの白濁した胞子粘液を顔と言わず体と言わずぶっかけられれば、絵面的に恐ろしい事態になるのは想像に難くない。 それだけは嫌だ。 ピンクを除くプレキャラ5男性陣は共通する必死の思いでマタンゴの攻撃を掻い潜り、どうにか倒す事に成功した。 親であるマタンゴを倒した事で、子である半マタンゴ化した人達は元へ戻った。 いつも通り、プレキャラ5の活躍で事件は解決したと思われた。 だがしかし、事件は解決してなどいなかった。 夜遅く、ピンクが一人、シャワーを浴びている時にそれは起こった。 突然、ピンクの体がまるで雷にでも打たれたようにビクンと大きく震えた。弓なりに反ったピンクの体はほんの少しその姿勢を保ってから、糸が切れた操り人形のように崩れ落ちる。 シャワーヘッドからはいまだ出しっぱなしの湯が滝のように零れては、倒れたピンクの体を打つ。それを気にする余裕もなく、ピンクはタイルの上に胎児のように伏せって苦しげな呻き声を上げた。 次第にピンクの苦悶は、艶めかしい喘ぎへと様変わりしていく。 シャワーが体を打つのも気にかけず、水飛沫を散らして悶え狂うピンク。いつの間にか彼女の内股は、湯とは違う粘りを帯びた液体でびしょびしょに濡れていた。 胎児のような姿勢のまま、ピンクの指先は自らの股間を弄っていた。だが、その指の動きが女性が通常するようなそれとは違う。 淫裂を撫で、蜜壺を突き上げ、媚肉を掻き回す。確かにそのような動作もしているのだが、同時に円筒形のナニカを扱き上げるような動きも見せていた。 体の奥底から突き上げるような劣情と快感に、豊満な体を震わせるピンク。 どんどんと指先の動きと嬌声は激しさを増していく。本来ならば片方しか味わえない筈の二種類の快感。それが同時に脳を直撃するという、あまりの気持ちよさに全身がびくりびくりと断続して痙攣する。その様は、全身が濡れているだけに釣り上げられたばかりの魚さながらだ。 ピンクの四肢に走る緊張はどんどんと高まっていく。それが頂点に達した瞬間、ピンクの喉からは一際甲高い絶叫が迸った。そして、絶頂の只中にあった体から不意に力が抜け、タイルの上でくたりと静かになった。 ピンクが再び身を起こした時、彼女の目には異様な劣情の光が、彼女の股間には立派な男性の証が生まれていた。 マタンゴとの戦いにおいて、断末魔の胞子の一撃をピンクが受けてしまっていたのである。 断末魔のマタンゴが放った胞子は今までと同じ物ではなかった。 ピンクが吸い込んだのは、恐ろしい事にマタンゴが自身のコピーを生み出す為の胞子であった。なんと、ピンク自身が新たな親マタンゴと化しつつあったのだ。 半ばまでマタンゴ化したピンクは、基地内でピンクを除いて唯一の女性である司令を襲おうとするが、間一髪でプレキャラ5に防がれる。 プレキャラ5は全裸でキノコペニスを振り回しながら暴れるピンクを、なんとか対生物化学兵器隔離室に収容する。 ピンクを救うには股間に生える茸から胞子を全て抜いてやるしかない。胞子が身体全体に回りきっていない今ならば、キノコペニス部分に詰まった胞子を空にしてやる事でマタンゴを死滅させられるだろう。 しかし人間がなんの対策も無しに近寄ればマタンゴ胞子に感染してしまう。かと言って、分厚く手触りの悪いバイオハザードスーツ越しの愛撫では、とてもではないがピンクを射精に導けない。 何よりも、プレキャラ5男性陣にフタナリ趣味の人間がいないことが致命的だった。誰もピンクに生えたオチンチン――そんな可愛らしい表現が似合うモノではなかったが――を扱きたがらないのだ。 予想外の形で追い詰められたプレキャラ5。 居心地悪そうに顔を見合わせるレッド、ブルー、イエロー。 何故かお尻を押さえて後ずさるグリーンと、その姿を妖しい眼差しでみつめるプリンセス司令。 そんな丸聞こえの仲間の声に、色んな意味で狂乱するピンク。 意外なチームワークの悪さを露呈させたプレキャラ5に苦悩する司令の目に、ふと止まる姿があった。 人でなく、女性の形をしたモノと言えば……。 プリンセス司令は、サポートアンドロイドのメイドーに命じた。ピンクの精液を全て搾り取ってきなさい、と。 コンソールに向かっていたメイドーが平時と何ら変わらぬ無表情で頷き、立ち上がる。 主人に忠実である機械が命令に逆らう筈もない。 だが忠実さだけでピンクをイカせられる訳でも、ましてや胞子を根こそぎ搾り尽くせる訳でもない。 司令以外の誰もがそう思い、ほんの数秒後にその感想を根底からひっくり返された。 ソフトからハードまで、男から女まで、上から下から前から後ろから。その対応範囲は、およそ考えつく全趣味にして全方位。 普段のおっとりした声音はそのまま。メイドーは全身のいたる所に収容されていた、ほっそりとした体のどこに収まっていたんだと思うような量のオプションをガシャガシャと展開させながら、ピンクがいる隔離室へと歩いていった。 司令が不敵に笑う。 こんな事もあろうかとメイドーに少し改造を加えておいたのよ。 勝利を確信した、尊大とも言える口調。その口調に気圧されたかのように、一様にプレキャラ5は押し黙ったままだった。 故に、誰も司令に尋ねる事は出来なかった。 サポートアンドロイドの身体中にエッチなオモチャを仕込んでおかなければいけない事態とはどんな事なんですか、と。 かくして恐るべき人類の危機は、たった一体のアンドロイドによって防がれたのだった。 第42話「ピンチ!再生怪人大集合」にて登場。 第42話では再生怪人の一人として登場するが、恨み骨髄のピンクに一撃で倒されている。 |